HOME > スタッフ日記

スタッフ日記

涙でにじむ100万本のひまわり

(笠岡湾干拓地「百万本のひまわり」 岡葬スタッフ撮影 2011年8月)

昨年12月に先立った家内の初盆がまもない8月8日、父母の墓参りのため、早朝、生まれ故郷へ向かった。高速で1時間もかからないところだが、今までは仕事にかまけてめったに行くことがなかった。
 墓前で、ご無沙汰をわび近況を報告した。午前7時過ぎに墓参りを終え、亡き父母に「また来るからな、ありがとう」と別れを告げ帰路についたが、急に思いついて、この町にできたと聞いた「100万本のひまわり」を観て帰ることにした。
 父母の墓地から15分足らずで目的地に着いた。早朝のため、見物客はほとんどなく静かだった。併設されている道の駅は、まだオープンしていなかったが、10ヘクタールの広大な土地に、「100万本のひまわり」は、さすがに圧巻だ。展望台に上がり、果てしなく続くように見えるひまわりの写真をたくさん撮った。
 小一時間、夢中で写真を撮っているうち、見物客はどんどん増え、早朝だと言うのに、猛烈な暑さの中、若いカップル、家族連れ、若い女性グループ、さまざまな人たちが続々と集まってくる。
 その見物客の中に、私よりも高齢と思えるご夫婦が一組ある。お二人は、手を取り合って、ひまわり畑を一歩一歩ゆっくりと歩きながら、時々止まっては、ひまわりをバックに、奥さんの写真を撮っておられる。  展望台からぼんやりとその様子を見ているうち、私の胸の中に、熱いものがこみ上げ涙でひまわりがにじんできた。

 「自分はもうあのご主人のように、二度と家内の写真を撮ることはできないんだ」
 当たり前のことだが、そう思うとあとからあとから涙がこぼれる。
 鮮やかな黄色のひまわりは、天を突くような勢いで咲いていた。


「足摺岬日没」

 9月22日早朝、四国八十八ヵ寺の六回目のお遍路に出た。今回は、35番札所清滝寺から、43番明石寺までの9ヵ寺が目標だ。一日目、清滝寺から足摺岬の先端にある金剛福寺まで、遠いのは遠かったが予想外に順調にいき、午後3時には、宿泊のホテルに到着した。
 時間に余裕ができたので、足摺岬の夕日の写真を撮っておきたくなり、ホテルのスタッフに訊ねてみた。
「近くで夕日の写真の撮れる所がありますか?」
「いやー、お客さまは運の良い方ですよ。ちょうど今日は、≪トオルマの夕日≫が観られる日です」
と言いながら、地図を渡してくれた。

 その地図と案内文によると、一年に二回、春秋のお彼岸の前後数日だけ観ることのできる神秘的な夕日のようだ。

 ちょっと休憩した後、カメラを持って出かけてみた。
なんと、すでにたくさんのカメラマンが、カメラの放列をつくっている。中には超望遠レンズを装備したすごいカメラの方もいる。マイクロバスで観光客もぞろぞろ集まってきた。

 日没の15分ぐらい前、小さな半島を東西に貫通している洞窟の向こうに太陽が沈みかける。その時、洞窟の中の海水に夕日の輝きが反射し、神々しいような黄金色の帯ができるのだ。黄金色の輝きは、キラキラときらめきながら、およそ10分少々神秘の光を放つ。まさに大自然が創りだした美だ。
 そして、彼方の水平線に日が沈みかけると、今度は沈む太陽の周囲からV字型の後光が。なんとも感動的な光を放ちながら、周囲の雲を茜色に染めていく。

 あまりの美しさに呆然としながら、
「今日、この時、この偶然をプレゼントしてくれたのは、お大師様なのだろうか?先立った家内なのだろうか?」
「自分も逝く時は、こんな風に逝きたいな」
そんなことを思った。

(足摺岬 日没 岡葬スタッフ撮影 2011年9月22日)


▲ページトップに戻る